Program

専門研修プログラム

概要

慶應義塾大学整形外科の専門研修プログラムは、1922年の開講以来1300名以上の整形外科医を輩出してきた
歴史と実績を誇る国内屈指の教育プログラムです。
本プログラムでは、慶應義塾大学病院を基幹施設とし、東京都・神奈川県・埼玉県・栃木県・静岡県などに
広がる全国有数の規模を持つ関連病院と連携しています。
専攻医はこれらの施設をローテーションしながら、整形外科の多様な分野に触れることで、臨床能力を
高めていきます。

研修の柱は4つ──
「知識の拡充」:整形外科の基本から最新知見まで幅広く習得し、エビデンスに基づく医療を実践。
「倫理観と協調性」:患者中心の全人的医療を重視し、チーム医療に必要な協調性と人間性を育成。
「実践的な技術」:保存療法から手術治療まで、豊富な症例を通じて確実な診療技術を習得。
「リサーチマインド」:臨床での疑問を研究で解決する力を育て、国際学会や論文発表も支援。

4年目以降には希望に応じて、
サブスペシャルティ領域の研修、大学院進学など柔軟なキャリア設計も可能です。

また、専門研修終了後に一定の基準を満たした方は、臨床研修または基礎研究の発展を目的とした
海外留学の機会が与えられ、国際的視野を併せ持った整形外科医を目指すこともできます。

特徴については、「特徴ページ」をご覧ください。

領域別手術数

当教室には、都内・首都圏・北関東・東海それぞれのエリアに約40の関連病院があります。
手術数は、他大学の専門研修プログラムと比較し全国トップクラスです。

 

──2024年度手術数

脊椎・脊髄 上肢・手 下肢 外傷 リウマチ スポーツ 小児 腫瘍
9,013 7,171 10,940 11,473 262 1,299 1,822 1,679

 

ローテーションのモデルケース

当プログラムでは4年間で基幹施設である慶應病院と関連病院をローテーションしていただきます。
関連病院にはそれぞれ特性(都心部か地方か、外傷病院、慢性疾患中心、小児専門など)があり、
あらかじめバランスの取れたローテーション候補をこちらでご用意いたします。

そのうえで、専攻医の希望も丁寧に伺い、できる限りご希望に沿ったローテーションとなるよう柔軟に調整を行います。

また、育児や家庭の事情など、社会通念上やむを得ないと判断される場合には、
特別なプログラムの編成も検討し、個々の状況に応じたサポート体制を整えています。

関連病院の一覧は下記よりご確認ください。

 

 

──過去のローテーション例

例1:一般外傷〜重症外傷までを中心としたコース

1年(前期) 1年(後期) 2年(前期) 2年(後期) 3年(前期) 3年(後期) 4年(前期) 4年(後期)
慶應病院 慶應病院 永寿 永寿 済生会
宇都宮
済生会
宇都宮
済生会
中央
済生会
中央

例2:神奈川県を中心としたプログラム(川崎プログラム)

1年(前期) 1年(後期) 2年(前期) 2年(後期) 3年(前期) 3年(後期) 4年(前期) 4年(後期)
川崎病院 慶應病院 けいゆう けいゆう 川崎病院 川崎病院 国際親善 国際親善

例3:小児整形や、サブスペシャリティ型病院群が含まれたコース

1年(前期) 1年(後期) 2年(前期) 2年(後期) 3年(前期) 3年(後期) 4年(前期) 4年(後期)
済生会
中央
慶應病院 村山
医療センター
村山
医療センター
立川 立川 成育
医療センター
成育
医療センター

例4:骨軟部腫瘍を中心に研修ができる施設が含まれたコース

1年(前期) 1年(後期) 2年(前期) 2年(後期) 3年(前期) 3年(後期) 4年(前期) 4年(後期)
慶應病院 東京歯科大
市川
東京歯科大
市川
江戸川 東部 東部 栃木
がんセンター
栃木
がんセンター

例5:一般外傷のほか、手外科などの専門分野が含まれたコース

1年(前期) 1年(後期) 2年(前期) 2年(後期) 3年(前期) 3年(後期) 4年(前期) 4年(後期)
慶應病院 慶應病院 足利 足利 さいたま
メディカル
さいたま
メディカル
荻窪 荻窪

 

卒業後のキャリアパス

研修修了後は、次の多様な進路から選択できます。

1.一般整形外科コース
 整形外科総合診療医として地域医療に貢献。
 関連病院で整形外科全般について研修を継続する。

2.サブスペシャルティコース
 希望する専門領域の臨床グループで研修し、指導医・認定医を目指す。
 条件を満たせば、基礎・臨床研究も並行または新たに選択可能。

3.大学院進学コース
 基礎研究に専念し、運動器に関する病態解明を目指し学位取得を目指す。

いずれの進路も、研修4年目6月時点で修了認定基準を満たす見込みが必要です。
さらに、一定基準を満たした場合は海外留学の機会もあります。

過去の専攻医データ

本プログラムでは、出身大学に関わらず、多様なバックグラウンドを持つ専攻医が集まっています。
また、女性医師の在籍数も多く、性別に関係なく、誰もが活躍できる環境が整っています。
さまざまな専攻医たちが、それぞれの目標に向かって研鑽を積んでいます。

── 専攻医人数

年度 男性 女性
2025年度 26名 1名
2024年度 18名 5名
2023年度 16名 5名
2022年度 17名 4名

 

── 近年の専攻医出身大学

出身大学一覧
慶應義塾大学 愛媛大学 旭川医科大学 秋田大学 岩手医科大学
大阪医科大学 岡山大学 杏林大学 関西医科大学 北里大学
九州大学 京都府立医科大学 近畿大学 熊本大学 群馬大学
神戸大学 金沢大学 京府医大 埼玉医科大学 札幌医科大学
島根大学 昭和大学 順天堂大学 信州大学
聖マリアンナ医科大学
千葉大学 筑波大学 帝京大学 東京医科大学
東京医科歯科大学
東京慈恵会医科大学 東京女子医科大学 東海大学 東邦大学 富山大学
長崎大学 新潟大学 日本大学 日本医科大学 福岡大学
福島県立医科大学 藤田医科大学 浜松医科大学 弘前大学 宮崎大学
山口大学 琉球大学      
上海交通大学 延世大学      

 

── 他大学出身者割合

年度 専攻医数 他大学出身者数
2025年度 27名 15名 56%
2024年度 22名 16 名 73%
2023年度 21名    7名 81%
2022年度 21名 10 名 48%
2021年度 20名 12 名 60%